旧暦ホテル ―古くて新しい暦と暮らす―

2018年立春からスタート。旧暦と共に、「大人の本気の『ごっこ遊び』を通じ、ホテルで過ごすような快適な日々を追い求めていきます。

卯月の旅行記(卯月分の「旧暦ホテル」まとめ)

母と二人で旅行に行くことになった。

母娘二人で来る日も来る日も、顔を突き合わせて生活しているのだが

似た者同士の無口な二人で、ちょっと息が詰まる事も。

少し気分でも変えたいなと思い、近場で泊まりにいくことにした。

 

ホテルの名前は「旧暦ホテル」。

なんだかちょっと変わったホテルのようだ。

 

私の運転でホテルの駐車場に到着し、荷物を出してロビーへ向かう。

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ロビーの一画にある場所。グリーンだけが飾られている。

こういうのも清々しくて良いかもしれない。

 

チェックインカウンターの上には絵手紙が

額に入れて飾られていた。

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そうか、メロンが美味しい時期になってきたのね!

そんな事に気付けた自分が嬉しかった。

 

チェックイン後、着物の女性に案内され、5階の部屋へ。

扉を開けると玄関が広がっていて、靴を脱げるようになっている。

部屋の様子はリビング部分と寝室部分が分かれていて

ゆったり過ごせそうだ。

 

普段、築40年近くにもなる自宅で暮らしていると

こんなにもモダンで広々とした部屋には圧倒される。

母を見ると、どうやら同じ気持ちらしい。

無言のまま目を見開いていた。

 

部屋には紫陽花が飾られている。

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「あら、綺麗ね。

あなたが小さい頃住んでいた団地にも、紫陽花がたくさん咲いてたのよ」

 

母の顔がほころぶ。

 

私はどうも、3歳頃まで

今の自宅から少し離れた団地に住んでいたらしい。

私が3歳になってから今の自宅の場所に一戸建てを購入し

そこへ家族3人で移り住んだようだ。

私には団地の記憶はほぼほぼ無いので

「ふ~ん」と言って笑っておいた。

 

ふとデスクを見ると、綺麗なファイルが置いてある。

中には、ホテルの地図、説明、ルームサービスのメニュー等と一緒に

季節の養生についてのページがあった。

 

湿気の多い時期の体調不良「湿邪」には

「外湿」と「内湿」の2種類があるそうだ。

ふむふむ、と読み進めていくと

ページの最後には

『だるさを感じる「外湿」用の緑茶

胃の不調を感じる「内湿」用のハトムギ

2種類のお茶をご用意しております。

どうぞお部屋でごゆっくりお楽しみ下さい』

と書いてある。

 

キャビネットの中を覗くと、お茶セットが置いてある。

コーヒー、紅茶、ハーブティーと共に日本茶系も用意されていて

茶葉はティーバッグで2種類あった。

この時期の新茶の緑茶と、ハトムギ茶。

 

このところだるさを感じる私は緑茶を

胃が少々重い母はハトムギ茶を選択。

気軽に色々楽しめるので嬉しかった。

 

お風呂から外の景色を眺めるために

眼鏡を持ってバスルームへ。

少し窓も開くようになっていて、外気を感じながらお湯につかる。

 

お風呂の後は夕食。夕食会場へ向かう。

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メインはカツオのたたき!薬味がいっぱい乗っている。

厚揚げも柚子の香りがさわやかで、気分が良かった。

 

翌朝。

母娘揃ってぐっすり眠れたようで

良い気分のまま、ベッドサイドのボタンで遮光カーテンを開ける。

レースのカーテンから感じられる朝日が、心地よい。

 

朝食を頂きに、昨日の夕食と同じレストランへ。

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抹茶のケーキがある!

濃厚なお茶の風味を味わいながら、朝食を終えた。

 

軽く荷造りを済ませてから、1階へ降りると

仲良さげな女性二人が、着物で歩いていらっしゃる。

「お母さん、あのお二人、すごく素敵ね」

思わず母に話しかけると、近くにいたスタッフの女性が

「あの~・・・」と声をかけてきた。

 

「実はあの着物、レンタルでお楽しみいただけるんです。

お二人もいかがでしょうか?

お庭の散策もできますし、記念撮影も承りますよ」

 

外は今にも雨が落ちて来そうな空模様。

その心配を告げると

「大丈夫です!ポリエステルの着物もございますので」

にっこり笑って答えて頂いた。

 

近場とは言えせっかくの旅行。

カメラで写真も撮っているけど、母と二人で撮った写真は1枚もない。

 

「せっかくだしお母さん、二人で着物着てし・・・」

「着るわ!写真も撮ってもらおう!」

 

人が話し終わる前に、遮って話し出すなんて

穏やかな母にしては珍しい。

よほど着たいのかしら。

 

母は薄紫の着物を、私は淡いグリーンの着物を選んだ。

先ほどの女性スタッフさんと一緒にホテル内の美容室へ行き

着付けとヘアメイクをしてもらう。

 

母はいつも通り無口なままだが

非常に嬉しそうなのが見ていると分かる。

 

着付けとヘアメイクを終え、スタッフさんに案内してもらったお庭は

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「「わぁぁぁぁ~!」」

二人そろって歓声をあげた。

こんなところで写真を撮って頂けるなんて!

 

「ただのコンシェルジュですので、写真の腕前はご容赦下さいね」

そんな冗談を言いながら、スタッフさんがシャッターを押してくれる。

画面で仕上がりを見ると、なかなか良い感じだ。

 

楽しいひと時を終え、着物から洋服に着替え

荷物を持ってロビーへ降りる。

普段着に、着物の時のヘアメイクのまま、という

ものすごく違和感のある姿だが

このまま車で自宅へ帰るだけだ。問題は無い。

 

チェックアウト前、お抹茶とお菓子を頂いた。

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さっきの着物でのひと時を思いだし、嬉しくなった。

 

近場だと思って、「ちょっとした気分転換」のつもりでやってきたが

素晴らしくリフレッシュできた二日間となった。

それと同時に、母娘二人の生活を

もっともっと大事にしようと思えた二日間ともなった。

 

ありがとう。また来ます。

 

 

今月の妄想旅行記でした(笑)

今月は母と娘の二人暮らしで書いてみました。

 

絵手紙:snowさん

紫陽花:ラビットさん

養生:櫻井もえさん

着物レンタル:紺さん

ロビー

新月モーニング

満月御膳

お庭&お抹茶:じゅん

 

でした。

卯月も楽しめました!皐月もよろしくお願いします。