旧暦ホテル ―古くて新しい暦と暮らす―

2018年立春からスタート。旧暦と共に、「大人の本気の『ごっこ遊び』を通じ、ホテルで過ごすような快適な日々を追い求めていきます。

師走の旅行記 (師走分の「旧暦ホテル」まとめ)

2月3日の土曜日。

予定が空いたので、ふらりと旅に出ることにした。

 

突然の事で、宿もないかもしれないと思いつつ検索すると

「旧暦ホテル」という名前が目に入ってくる。

何だろう?気になるな。

とりあえず、車でそちらへ向かってみることにした。

 

ホテルに到着すると、従業員が慌ただしく出入りしている。

大きな花束を持った女性が通りかかったので聞いてみる。

 

「実は、明日の立春の日に本格オープンなんですが

現在プレオープン中でして・・・。

以前から支配人とお付き合いのある方々に

今日はお泊り頂く事になっています」

 

じゃあ泊まるのは無理かな?お仕事中にすみません。

 

そう言うと、その女性は

「実は一部屋キャンセルが出たらしくて

お泊り頂けるかもしれません。

どうぞフロントで一度お尋ねください」

と言って、フロントまで案内してくれる事になった。

 

自動ドアが開いた先のロビーには

漆のカップが飾られた飾り棚。

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フロントには着物を着た女性。

カウンターの上には水仙が描かれた絵手紙と

不思議に日付のズレたカレンダー。

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先ほどの女性が事情を話してくれたようで

着物の女性から尋ねられる。

「お客様、本日お泊り頂けますが、いかが致しますか?」

 

私は泊まる事に決め、チェックイン用のカードに住所と名前を書いた。

 

「それではお部屋にご案内致します」

着物の女性が荷物を持って、部屋に案内してくれる。

「落ち着いた、良いお宿ですね。明日オープンなんですか?」

エレベーターで思わず話しかけると、彼女は嬉しそうに

「そうなんです。明日の立春がオープンです。

旧暦の月の分け方の内の一つでは、明日が1年の始まりなんです」

と、微笑んで答える。

 

きっと私は不思議そうな顔をしていたのだろう。

彼女は続けて、こう教えてくれた。

「こちらのホテルのコンセプトは

外の世界とは違う流れ、『旧暦』を感じて頂きながらおくつろぎ頂く事。

もし旧暦にご興味がおありでしたら、お部屋に冊子をご用意しておりますので

そちらをどうぞご覧くださいませ。」

 

泊まる部屋は5階。着物の女性が扉をあけて中へと誘う。

 

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目に飛び込んできたのは、広い玄関と

その奥にあるリビングスペースとピンクの軽やかなカーテン!

部屋には美しく花々が飾られていて、ベッドルームは別にある。

自宅よりよほど広いこの部屋に

本当に泊まっても大丈夫なのだろうか・・・。

 

「お客様、こちらにお茶とお菓子をご用意しております」

 

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 お菓子の横にカードが添えてある。

「『ごゆっくりお過ごし下さい  CORO』・・・?このカードは?」

「こちらのお茶とお菓子は、

当ホテルのスタッフのCOROがご用意致しました。

お好きなだけ召し上がって下さい」

着物の女性は笑いながら

美味しいのですが食べ過ぎにはご注意を、と付け加えた。

 

お風呂はこちら、お手洗いはこちら、と案内をしてくれる。

お風呂は洗い場もあって、広い。

外の景色も湯船に浸かりながら見られる。

 

「お夕食は6時からです。最上階のレストランへお越しください」

着物の女性は最後にそう告げると部屋から出て行った。

 

6時5分前。

私は一人でレストランに向かうと、他の宿泊客が何組か席についていた。

案内された席に座る。

「本日は誠に有難うございます。

どうぞごゆっくりお楽しみ下さい」

和紙に書かれたメニューには、直筆のメッセージが添えられている。

 

今日のメニューの中には、旬の食材の赤貝、そしてキンメダイがある様子。

楽しみだ。

 

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お腹もいっぱいになったので、部屋に帰ってお風呂に入る。

広い洗面台の上に置いてあるアメニティには

素敵なリーフレットが添えられている。

 

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実際に使ってみると、梅の香りがほんのり感じられ

心がほぐれていくようだ。

お風呂あがりに梅の櫛も使ってみる。

手に馴染んで使いやすい上、私の絡まりやすい細い毛も、すんなりまとまった。

 

ベッドサイドに行くと、可愛い熊のぬいぐるみの乗ったトレイが用意されていた。

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 良い香りがこちらでも感じられる。素晴らしい気分で眠りについた。

 

翌朝。目が覚めカーテン越しに朝日を浴びる。今日はよく眠れた。

朝食を食べにレストランへ。

テーブルについた状態で食べたいものを持ってきてくれるらしい。

私は春菊のサンドイッチとチョコレートケーキをチョイス。

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お腹いっぱいになったので、散歩がてら1階の「コヨミアメニティ」へ。

今の時期にぴったりなアメニティ類が、美しくディスプレイされている。

その近くに、少し不思議なスペースがある。

「旧暦茶房?」

不思議に思って中へ入ると、昨日とは別の着物の女性が一人。

「本日は立春ですので、立春大吉茶会をお楽しみ頂けますが、いかがですか?」

 

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茶道の経験が無い私でも心底楽しい、素晴らしい経験ができた。

やはり何でもやってみないと分からない。

「茶道は難しそう」と思っていたけど、また是非体験したいと感じた。

 

部屋に戻る前に、コンシェルジュと話す。

素晴らしいひと時を過ごせたので

ホテルの感想をこちらが一方的に喋ってしまったが

最後にこの付近の梅の情報と、お勧めの観光地について教えてもらえた。

 

いよいよチェックアウト。帰るのが本当に残念だ。

明日からまた現実に戻るなんて信じられない。

 

昨日の着物の女性がフロントにいた。

今日は淡いピンクの梅模様の着物。

次回来た時に、彼女はどんな着物で迎えてくれるのかな?

是非また来たいと思える宿を見つけた。

 

 

 師走の「旧暦ホテル」、空想旅行記でした。(笑)

今後も月末には「妄想旅行記」で

その月のまとめをしていきます。

(話の流れ上、ご紹介できるものが限られるのが残念。)

 

以下、スタッフの担当です。

snowさん(絵手紙)

まどかさん(カーテン)

COROさん(お茶とお茶菓子)

櫻井もえさん(赤貝)

めぐりなさん(コヨミアメニティ)

ラビットさん(トレイと最初の女性(笑))

やっこさん(旧暦茶房)

紺さん(コンシェルジュ)

じゅん(キンメダイ、朝食、ロビー)

(文中は敬称略)

 

師走中の取り組みで、今回紹介しきれなかった分もたくさんあります。

是非「スタッフの仕事」カテゴリーでご覧ください♪

また、こぱんださんの節分の取り組みも、今後ご紹介する予定です。

 

明日から睦月。楽しみましょう!