旧暦ホテル ―古くて新しい暦と暮らす―

2018年立春からスタート。旧暦と共に、「大人の本気の『ごっこ遊び』を通じ、ホテルで過ごすような快適な日々を追い求めていきます。

大寒の取り組み 紺さん

じゅんです。

先日、二十四節気最期の「大寒」を迎えました 

 

 

大寒って?

 

大寒って何?」という方は、こちらをお読み下さい。

kyureki-hotel.hatenablog.com

 

スタッフの取り組み

 

二十四節気に合わせて、旧暦ホテルのスタッフの方々が

「こんな取り組みしましたよー!」と教えて下さいます。

いつもありがとうございます。

 

今回が最終回の「大寒」。

昨日はハッピーフラワーアドバイザーの

ラビットさんの取り組みをご紹介しました。

kyureki-hotel.hatenablog.com

 

今日はコンシェルジュの紺さんの取り組みをご紹介します。

 

紺シェルジュ

 

紺さんは旧暦ホテルのコンシェルジュ

二十四節気に合わせて業務日誌を提出して下さいます。

最近の業務日誌はこちら。

kyureki-hotel.hatenablog.com

kyureki-hotel.hatenablog.com

 

季節に合わせてお客様に様々なご提案をして下さっている紺さん。

今回はどんなお客様がいらっしゃったのでしょうか?

 

大寒の業務日誌

 

こんにちは。コンシェルジュの紺です。

大寒は最後の二十四節気。一番寒さが厳しくなる頃です。

そんな最後の二十四節気に、

新しいスタートを予感させるお客様がいらっしゃいました。

 

【紺シェルジュ業務日誌〜大寒〜】

エントランス周辺を歩いていると、

ドアの開くのに伴い、冷たい風が吹き込んでくる。

今は大寒。一番寒い時期だ。

そんな冷たい風と共に一人のお客様がお戻りになった。

 

「朝はお世話になりました」
目が合うとその女性は声をかけてくれた。

今朝、お出かけ前に、季節のお料理を出している地元のお店をご紹介した、

蕗石春乃(ふきいし はるの)様だ。

 

蕗石様は友人との女子旅で大分県の別府に行き、

そこで宿泊したゲストハウスで知り合った方に勧められて、

当ホテルにお越しいただいた、とのことだった。

 

確かに冬至の頃に大分へのご旅行をご案内した記憶がある。

まさかここから離れた場所で新たな出会いが生まれているとは…と、

お話を伺ったとき驚いたものだった。

 

その日のお食事の感想をお聞きしていると、蕗石様のスマホが鳴った。

お邪魔にならないようにと会釈してその場を離れ、カウンターに戻る。
 

しばらくして蕗石様は電話で話しながらカウンターまでお越しになった。

「…うん、うん。わかった。…うん。聞いてみるね」
 

電話を切ると、

「あの…祖父母が宿泊の予約をしたいそうなんですが」と尋ねられた。
 

大丈夫ですよ、と予約のためのパソコンを開き、

同時に予約用紙を取り出す。
 

希望の日付、希望の部屋が確保できることを確認し、

蕗石様に代筆してもらう…と。

 

お名前:睦月晴海 睦月春江
ご住所:……
……

 

その文字を見てはっとする。

忘れもしない私のご案内第一号のお二人だ。

 

思わず、書き終えられた蕗石様に声をかける。
「失礼ですが…睦月様たちは…

私がこのホテルで初めてご案内したお客様だと記憶しております。

蕗石様のお祖父様とお祖母様なのですか?」

そういうと、彼女は微笑んだ。

 

「はい。実はおじいちゃんたちからこの旧暦ホテルの話は聞いていたんです。

季節を感じてゆったり過ごせて、貴重な体験ができて、素敵なホテルだよ、って。

それでずっと来たいなぁと思ってたんです。

そんなとき、偶然別府で会った浮草くんにも

『一人旅でもおすすめだよ』と教えてもらって。

それで今回来てるってことをおじいちゃんたちにメールしたら、

さっきの電話があったんです。」

 

そうだったんですね、と言うと蕗石様は話を続けてくださった。

 

「私も、この旧暦ホテルに来れてよかったです。

普段の生活では、忘れていた時間の流れを感じることができました。

ロビーやお部屋の飾りやお花も素敵だし、

季節の絵手紙やアメニティもかわいいし、

旬の食材のご飯もおいしいし…

おじいちゃん達がまた来たいって気持ちがすごく分かりました!」

 

笑顔で混じりっけなしの褒め言葉をくれる蕗石様に、思わず胸が熱くなる。

感謝の言葉と共に、深く頭を下げたのだった。

 

寒い冬が終われば、また暖かい春が来る。

大寒が終われば、また立春がはじまる。

少しずつ変化する季節の移り変わりと共に、

お客様との出会いと別れを繰り返し、毎日が新しい一日になっていく。

 

そんな感慨にふけっていると、コンシェルジュカウンターにお客様がやってきた。

また新しいスタートだ。

「ようこそ、旧暦ホテルへ」


 *****

 

蕗石春乃:大寒の初候「款冬華(ふきのはなさく)」より

 

別府のゲストハウス:例えばこんなところでしょうか?

別府のゲストハウスー路地裏

http://www.gh-rojiura.com

ゲストハウスは比較的安価で宿泊できるところです。

オーナーや他の宿泊客と交流しやすいところも特徴の一つ。

いつか秋路さんと立夏さんのように、

春乃さんが冬路さんと、またホテルに来てくれたら…などと思いつつ…(笑)


今回の日誌が、一年間二十四節気、最後の日誌となります。

季節を意識しながら書く日誌は、とても楽しく、

おかげさまで今までで一番自然の変化を感じた一年になりました。

 

旧暦ホテルのマダム支配人じゅんさんをはじめ、

スタッフの皆様、訪れてくださった(お読みくださった)皆様には、

心より感謝いたします。

 

一年間、ありがとうございました。

 

旧暦ホテル コンシェルジュ 紺

 

 

紺さん、一緒に1年間完走して頂けて、ありがとうございました。

業務日誌で紺さんからご覧になった季節の移ろいを体験でき

非常に興味深い1年間になりました。

 

これからまた巡り来る新たな1年も

色んな視点で季節を感じ、楽しんで下さいね!

 

紺さん、本当にありがとうございました。