旧暦ホテル ―古くて新しい暦と暮らす―

2018年立春からスタート。旧暦と共に、「大人の本気の『ごっこ遊び』を通じ、ホテルで過ごすような快適な日々を追い求めていきます。

睦月の旅行記(睦月分の「旧暦ホテル」まとめ)

家族で旅行に行く事にした。妻が行ってみたいホテルがあるらしい。

名前は「旧暦ホテル」。一風変わった宿のようだ。

 

駐車場に到着すると、小学生の息子と保育園に通う娘が

車から降りた途端にはしゃぎ回る。

そう言えば2人、特に娘には「ほぼ初めて」の「旅行」ではないか?

赤ん坊の頃に連れて行った事はあるが

あの時は息子は4歳、娘は1歳。覚えているはずもない。

普段、家族で自宅を離れるのは、帰省時くらいだ。

 

「お待ちしておりました」

 

突然着物の女性に挨拶をされる。

「ようこそお越しくださいました。どうぞこちらへ・・・」

案内され、ロビーへと向かった。

 

玄関ロビーにはガラスの雛人形

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おや?3月3日は過ぎてるはずだが・・・。

 

「今年の『旧暦』桃の節句は、新暦でいう4月18日。

当ホテルではその日まで雛人形を飾る予定です」

 

ウェルカムドリンクを頂きながら、教えてもらったが

「旧暦ですか?」

「そうです。当ホテルは外の流れとは少し違う

『旧暦』を楽しむ場所です。

ご興味がおありでしたら、お部屋に冊子をご用意致しておりますので

どうぞご覧くださいませ」

 ・・・何だかよく分からないが、妻は満足げに聞いているので

それで良しとしておく。

 

「お子さま向けの絵本もライブラリにございますので

是非ご家族様でご覧ください」

 

着物の女性はそう続ける。よし、あとで二人を連れて行ってみよう。

妻をフロントのソファーに残し、カウンターへ向かうと

カウンターには絵手紙が置いてあった。

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「・・・?『キレイな水が好き』・・・?」

「こちらはクレソンを描いた絵手紙です。

二十四節気に合わせて、専属の絵手紙作家より納品がございまして。

季節を変えてお越し頂くと、違った絵手紙をお楽しみ頂けますので是非」

「旧暦」に「二十四節気」とは。

聞いたことはあるけれど、馴染みのない単語に困惑する。

だが、妻がここに来てから

普段の二割増しで機嫌よく過ごしているので良しとしておく。

 

家族そろって部屋へと案内してもらう。

部屋は3階。和モダンな部屋だ。大きな低いダブルベッドが2つ。

並んで眠れるように、ベッドをくっつけてくれている。

これなら余裕で4人で眠れるだろう。

普段自宅では布団を敷いて寝ているので

子どもたちはベッドで飛び跳ねて大はしゃぎ。

 

「あ!パパ!色鉛筆があるよ!」

「ほんとだ!すごく綺麗~!!」

子どもたちが見つけた色鉛筆。隣にはこんなリーフレットがある。

 

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1階の「コヨミアメニティ」で売っているらしい。

子どもたち用のお土産に良いかもしれない。

リーフレットと色鉛筆の隣には、生花が飾られていた。

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「綺麗ね!やっぱり生のお花はいいわ~」

妻が思わず歓声をあげている。

・・・来て良かった。

 

その後、私と子ども二人はライブラリへ

妻は「旧暦スパ」へ行くことになった。

娘は「ママと行きたいー!」と少しごねたが

絵本があると聞いて、ライブラリに行くことにしたらしい。

 

ライブラリに行くと先客が。女の子連れのご家族だ。

軽く会釈をして、子どもたちを見る。

二人は楽しげに絵本コーナーに向かっていき

女の子が読んでいた本を読みたそうに

もじもじと、女の子が読んでいる様子を見ている。

 

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女の子は読み終わった様子で、二人に本を貸してくれた。

うちの子たちは二人で読み始めたが、女の子が後ろで見ている。

余程面白かったのだろう。

3人が仲良く本を読んでいる間、ライブラリに併設されているラウンジで

コーヒーを飲みながら新聞を読む。

 

そろそろ妻のスパが終わる頃だ。

子どもを連れて部屋に戻ると、スッキリした顔の妻がご機嫌に

「すっごく良かったの『旧暦スパ』!最初にこんなお茶を頂いてねえ・・・」

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スパがいかに気持ちよかったかを聞いている内に夕食の時間に。

化粧をし直した妻と子どもたちと、レストランへ向かう。

 

レストランでは春の味覚、菜の花とハマグリのお吸い物が。

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お腹もいっぱいになり、部屋へ戻り風呂へ入る。

普段は遅くてなかなか入れないが

今日は子どもたちと一緒に風呂に入る。

浴槽も広く、3人で入っても大丈夫だ。

妻はスパで入浴してきたらしく、化粧を落として横になっている。

 

翌朝。

朝食を食べにレストランへ。

「うわぁ!すごい!!」

「ホットケーキだぁ!」

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子どもたちはおおはしゃぎだ。

パパあれとって、ママこれつけてと必死になって食べ始める。

しばらくして、怪獣のごとく食べていた子どもたちも落ち着き部屋へ。

荷造りをする前に、少し休憩したい。朝風呂もいいなぁ。

 

チェックアウトの時間になった。

1階のロビーへ行くと、昨日とは別の着物の女性が

何やら飲み物を持ってきてくれた。

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「ホットアップルサイダーです。

今月は旧暦睦月、一月ですので、お屠蘇の代わりに作りました。

もちろんノンアルコール、お子様にも召し上がって頂けますよ」

家族で顔を見合わせて飲むと・・・

温かいリンゴジュースに、ジンジャーとシナモンの香りが良い。

「美味しい!」

二人も気に入った様子だ。

 

そこへ昨日のライブラリで出会った女の子ご一家もやってきた。

「あ、なずなちゃん!」

子どもたちが駆け寄り、ロビーで話し始めた。

親御さんに会釈だけして、フロントのカウンターへ行った。

 

昨日の着物の女性がいる。

「お楽しみ頂けましたでしょうか?是非またお越し下さいね」

妻は「もう是非!」と満面の笑顔で返事をする。

・・・本当に来て良かった。

 

コヨミアメニティで色鉛筆も購入し、車に乗り込む。

「パパ、楽しかった?」

娘が後部座席から話しかける。

「うん。楽しかったよ。また来ようね」

そしてアクセルを踏んで家路についた。

 

 ・・・長~い妄想旅行記、お読みいただきありがとうございました。

今回は男性目線でご家族様の旅行記にしてみました。

なずなちゃんにお友達ができるといいな、と思って。

 

今回の旅行記内の取り組みを改めてご紹介いたします。(敬称略)

・クレソン絵手紙(snow)

・色鉛筆(めぐりな)

・チューリップ(ラビット)

・絵本紹介(紺)

・旧暦スパ(ayu)

・お吸い物(櫻井もえ

・ホットアップルサイダー(やっこ)

・ひな人形

・満月御膳

・来客もてなしミニミニパンケーキ(じゅん)

 

ストーリーの都合上、ご紹介できなかった取り組みもありましたが

ご容赦ください。

 

旧暦如月も楽しく参りましょう!