旧暦ホテル ―古くて新しい暦と暮らす―

2018年立春からスタート。旧暦と共に、「大人の本気の『ごっこ遊び』を通じ、ホテルで過ごすような快適な日々を追い求めていきます。

大晦日考察 その2

 

 じゅん( @JMaugun )です。

 

今回も、大晦日について。

立春は昔のお正月で、節分は『大晦日』だったんですよ~」

というホワッとした説明ではさっぱり理由が分からなかったのを

マニアックに追いかけてみました。

 

 

 

二つの月の分け方

実は昔から日本には、毎月の月の分け方が二種類あった様子。

ちょっと難しくなるので頑張ってください(笑)

 

【分け方その1:月切り】

これは太陰太陽暦の「お月さま」パートである「太陰暦」。

毎月「ついたち」(新月)~「つごもり」(晦日)までの

月の満ち欠けを利用した月の決め方です。

 

旧暦ホテルで使用する「睦月、如月、弥生・・・」といった月や

「旧暦何月何日です」というのは、この月切りです。

 

1年のスタートは「一月一日」。大晦日は「十二月三十日」(末日)です。

 

【分け方その2:節切り】

「せつぎり」と読むそうです。

これは太陰太陽暦の「お日さま」パートである「太陽暦」。

二十四節気がベースになっている、月の分け方です。

 

月の分け方は、二つ先の気の前日までを1か月とするそうです。

要するに立春(2/4)~雨水~啓蟄の前日(3/5)を一月とするんです。

二月は啓蟄(3/6)~春分清明の前日(4/4)です。

こんな感じで十二か月になります。(二十四節気二つ分ずつなので)

 

1年のスタートは「立春」。という事は、年の最後の日は「節分」!

こちらを元に「節分は『大晦日』なんですよ~」と言ってたんですね。

 

上手に使い分けていた

ご紹介した「月切り」「節切り」ですが

どちらかを優先していたというわけでもないそうで

上手に使い分けていた様子です。

ただし、俳句の季語は昔から「節切り」だったようです。

 

立春旧正月のどちらがどれくらい祝われていたか

今となっては分かりませんが

ウィキペディアの「新年」の項目によると

「日本でも太陽暦採用以前は旧正月をおもに祝った。」とのことです。

新年 - Wikipedia

 (各家々を「年神様」が訪れ寿福を授ける「萬歳」(まんざい)。

言祝ぎ芸としてお正月に行われていたそうです。

今でも年神様をお迎えするために、お正月の準備をしますよね。

「萬歳」はしなくなっても、年神様はお迎えするんですね)

 

 

春の前に「立春」?

今年のように、旧暦では旧年中(師走)に立春が来ることを

「年内立春

逆に、旧暦でも年が明けて睦月に立春が来ることを

「新年立春

というそうです。

 

旧暦一月一日に立春当日が当たる事もあり、こちらは

「朔旦立春というそうで、次は2038年。遠いな(笑)

 

昔の人も迷ってた?

ウィキペディア立春を調べると、次のような和歌が紹介されていました。

 (『古今和歌集』より)

 

ふるとしに春たちける日よめる

 

年のうちに 春は來にけり 一年(ひととせ)を

        去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ

                      在原元方

 

<現代語訳>

年明け前に立春となった日に詠んだ歌

 

年が明けないうちに立春が来てしまった。

昨日までの一年(一月一日から節分)を去年と言おうか、今年と言おうか

                      在原元方

 

「ガッツリ旧暦人」が迷ってる!!

(ちなみにこの人、在原業平のお孫さんだそうな。

「ガッツリ旧暦人」とは旧暦の頃に生きてた人の事(笑)造語)

 

在原元方の迷いっぷりが如何ほどの物だったかは分かりませんが

そういう「ふわ~っ」とした感じだったんでしょうか(笑)

 

あともう少し続きます。よろしければお付き合い下さい。