大晦日考察 その2
じゅん( @JMaugun )です。
今回も、大晦日について。
「立春は昔のお正月で、節分は『大晦日』だったんですよ~」
というホワッとした説明ではさっぱり理由が分からなかったのを
マニアックに追いかけてみました。
二つの月の分け方
実は昔から日本には、毎月の月の分け方が二種類あった様子。
ちょっと難しくなるので頑張ってください(笑)
【分け方その1:月切り】
毎月「ついたち」(新月)~「つごもり」(晦日)までの
月の満ち欠けを利用した月の決め方です。
旧暦ホテルで使用する「睦月、如月、弥生・・・」といった月や
「旧暦何月何日です」というのは、この月切りです。
1年のスタートは「一月一日」。大晦日は「十二月三十日」(末日)です。
【分け方その2:節切り】
「せつぎり」と読むそうです。
二十四節気がベースになっている、月の分け方です。
月の分け方は、二つ先の気の前日までを1か月とするそうです。
要するに立春(2/4)~雨水~啓蟄の前日(3/5)を一月とするんです。
こんな感じで十二か月になります。(二十四節気二つ分ずつなので)
1年のスタートは「立春」。という事は、年の最後の日は「節分」!
こちらを元に「節分は『大晦日』なんですよ~」と言ってたんですね。
上手に使い分けていた
ご紹介した「月切り」と「節切り」ですが
どちらかを優先していたというわけでもないそうで
上手に使い分けていた様子です。
ただし、俳句の季語は昔から「節切り」だったようです。
今となっては分かりませんが
ウィキペディアの「新年」の項目によると
「日本でも太陽暦採用以前は旧正月をおもに祝った。」とのことです。
(各家々を「年神様」が訪れ寿福を授ける「萬歳」(まんざい)。
言祝ぎ芸としてお正月に行われていたそうです。
今でも年神様をお迎えするために、お正月の準備をしますよね。
「萬歳」はしなくなっても、年神様はお迎えするんですね)
春の前に「立春」?
今年のように、旧暦では旧年中(師走)に立春が来ることを
「年内立春」
逆に、旧暦でも年が明けて睦月に立春が来ることを
「新年立春」
というそうです。
旧暦一月一日に立春当日が当たる事もあり、こちらは
「朔旦立春」というそうで、次は2038年。遠いな(笑)
昔の人も迷ってた?
ウィキペディアで立春を調べると、次のような和歌が紹介されていました。
(『古今和歌集』より)
ふるとしに春たちける日よめる
年のうちに 春は來にけり 一年(ひととせ)を
去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ
<現代語訳>
年明け前に立春となった日に詠んだ歌
年が明けないうちに立春が来てしまった。
昨日までの一年(一月一日から節分)を去年と言おうか、今年と言おうか
「ガッツリ旧暦人」が迷ってる!!
(ちなみにこの人、在原業平のお孫さんだそうな。
「ガッツリ旧暦人」とは旧暦の頃に生きてた人の事(笑)造語)
在原元方の迷いっぷりが如何ほどの物だったかは分かりませんが
そういう「ふわ~っ」とした感じだったんでしょうか(笑)
あともう少し続きます。よろしければお付き合い下さい。